理太夫旅館
湯田川温泉『理太夫旅館』には、ひと言では表現出来ない良さがある。昭和建築の木造3階建て、たっぷりとお湯が注ぐ源泉かけ流しの温泉、レトロでかわいいイメージの館内に、女将の作る郷土料理 等々。いくつもの要素を集めていくと『理太夫旅館』の輪郭が見えてくる。
その中で最も特筆すべき点は、若女将であるゆりさんが”いらっしゃいませ”から、”ありがとうございました”まで、全てのおもてなしを担っていることだ。
ゆりさん『理太夫旅館でどんな時間を過ごしたいのかは、お客様によって様々ですよね。その思いに気づいて、ひとりひとりに合ったおもてなしをしたいと考えています。お話しを楽しみたい方もいれば、プライベートを重視したい方もいるので、おかえりなさいの世話役という感じでお客様をお迎えしています。』
家族経営のお宿であっても、終始一貫したマンツーマンの接客は珍しい。だからこそ、このお宿のイメージは、ゆりさんの人柄によりかたどられているのかもしれない。
彼女はいつも、絶妙な距離感で接してくれる。なんだか安心出来る距離感で、居心地が良い。お客様もきっと同じように感じているのだろう。たとえ、常連客さんあっても、近い距離感を求めている方もいれば、若女将とお客様という一定の距離感を保ちたい方もいるはず。ゆりさんは、そういう人の何気ない気持ちを大切に汲み取ってくれる。
ゆりさん『楽しかった!と思ってもらえたら一番かな。湯田川温泉に来たからには、ひとつでもいいことを探して欲しい。勿論、温泉なので癒しでもあるけれど、遊びにきてもらう感じがいいかな。ゆっくりもするけど、楽しかった!と思ってもらえたら一番いいなと思います。』
その言葉通り、館内にはカラフルな絨毯、かわいい布細工、温かみのある間接照明など、楽しくなるような仕掛けが至るところに用意されていることに気づく。それら全てが、さり気無いのもまた丁度良い。
湯田川温泉『理太夫旅館』は、それぞれに感じてもらうことを優先したいという若女将の懐の深さがあらわれている宿だと感じる。とても居心地がよくて、また何度でも帰りたくなるのだ。
外に出れば目の前には正面湯、旅館の裏手には竹林に由豆佐売神社がある。『理太夫旅館』を拠点に、湯田川の温泉街を楽しみたい。
湯田川温泉『理太夫旅館』公式HP:https://ridayu.jp
写真提供:湯田川温泉観光協会
- ・投稿者の名前:
- すずき まき
- ・プロフィール:
- 写真家。2020年、生まれ育った横浜市から鶴岡市にiターン移住。 温泉と猫をこよなく愛している。
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