つかさや旅館
つかさや旅館
湯田川温泉の中心地、正面湯のすぐ隣に佇む「つかさや旅館」は、江戸時代から続く老舗の温泉宿。1日4組限定で泊まれる少人数制の宿で、2種類ある温泉はどちらも貸切りで楽しむことができます。「ゆったりの湯」と「こじんまりの湯」はどちらも、勿体ない程の掛け流し。次々に湧き出るお湯が湯船から溢れ出し、いつでも一番風呂のようです。
つかさや旅館といえば、料理の味も評判です。ご主人とその母である大女将が作るお料理は、上品で繊細な味わい。単なる田舎料理を想像していると一歩上をいく美味しさに驚くことでしょう。地域の食材を生かし、季節により異なるメニューを提供していて、5月には湯田川の名物である採れたての孟宗も楽しめるのです。素材の味を最大限に引き出す料理の数々は、丁寧さと真ごころの賜物。毎日でも食べたい健康的な味わいが、身体に負担をかけることなく染み渡っていきます。
この食事に合わせて楽しみたいのは、やはり日本酒。つかさや旅館では、日本酒好きのご主人、丈彦さんが厳選した庄内の日本酒を取り揃えています。特筆すべきはその種類の多さで、3種、6種、10種の飲み比べや、料理に合わせたペアリングもオーダー可能。ここまで日本酒に特化した宿は、庄内全体で考えても貴重な存在です。
丈彦さんは「山形の日本酒は本当においしい」と話します。「他の土地から来た人に、もの土地で作られた日本酒を飲んでもらうことは価値ある経験になる。私たちの住む土地の食材を食べてもらうのだから、お酒も地元のもので合わせたい。」地物を使ったお料理と日本酒は最良の組み合わせと言えるでしょう。
子供連れ歓迎の宿
湯田川温泉で子供連れでも泊まれる宿を探している方には、つかさや旅館をお勧めします。
「子連れの方にも気兼ねなく利用してほしい」というのは女将の愛恵さんの言葉。
「子供が泣いて寝られないことがあったとしても、それもまた思い出になるので気兼ねなく来て欲しい。」と話します。女将自身も子育てをしながら営業している為、つかさや旅館にはいつも子供たちがいて、どこか親近感の湧く親戚の家に遊びに来たような雰囲気。
通常子連れ可の宿であっても、気を遣うことの方が多いものですが、この宿は違います。「子連れ可」ではなく「子連れ歓迎」、泣くことまで歓迎の宿は珍しいものです。「お母さんの気が少しでも休まればいい」と言い切る心強い女将です。
女将の原動力
そんな女将ですが、20代で湯田川に越してきた当初は苦労もあったといいます。若女将になったものの、新しい土地に温泉街という環境の中で、「何かしたいけど出来ない」というもどかしい時期が続きました。それでも目の前のことを常に全力で取り組んでいると、協力者が増えていきました。
女将になり、やりたいことが形にできるようになった今でも、決して満足することなく進み続けています。「まだまだ色々な人と繋がりたい。全国の頑張っている人と一緒に、常に挑戦し続けたい。もっとお客様に楽しんでもらいたいという気持ちが幅広い興味につながっている。」
まず湯田川に来てもらいたい
2021年3月、つかさや旅館の1階が、ワンフロアの大きなスペースに生まれ変わりました。旅籠ーhatagoーと名付けられたその場所は、開かれたスペースとして利用されています。カフェ営業をスタートし、イベントが出来るようにと、日曜日を旅館の定休日にするという思い切った決断をしました。「ここに来るハードルを下げて、これまで湯田川と縁のなかった人にも知ってもらえるきっかけを作りたい。」
その結果、今では利用した人同士が繋がっていく、新しい輪が出来ています。
女将の”考える前にまずやってみよう”の精神が、沢山のご縁を繋いでいるのです。
江戸時代から続く老舗旅館に吹く新しい風。人と人、新しいアイディアが交差するこの宿は、人の歩む速度で、地域に寄り添いながらゆっくりと進化を重ねてきました。
新しいものを生み出すことはなかなか難しい時代でも、掛け合わせ次第で新しいものが生まれることを教えてくれます。開かれた空間でどんなお客様も歓迎してくれる心の広いお宿、それが湯田川温泉の「つかさや旅館」なのです。
◯つかさや旅館 公式HP <https://www.tsukasaya.gr.jp>
◯インスタグラム<https://www.instagram.com/tsukasayaryokan_shonai/>
- ・投稿者の名前:
- すずき まき
- ・プロフィール:
- 写真家。2020年、生まれ育った横浜市から鶴岡市にiターン移住。 温泉と猫をこよなく愛している。
- ・SNSやホームページへのリンク系:
- https://www.instagram.com/maki.suzu.ki/